大空の支配者

自称サイクル勢の日記。マンダ軸中心。

スカーフステロイド

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最近、某氏と話題になったこと。

お互いに思考のズレからか上手くまとまらず、これ以上やっても無駄と判断して議論は終了とした。

まあ、この議論で考えたことをそのまま捨てるのも少しもったいなく感じたので、思考の整理として残しておこうと思う。

 

 ウツロイドにスカーフを持たせる意味

まずはここから。本題とは少しずれるが、これを理解していないと「スカーフじゃないロイドでステロすればよくね?」と感じてしまうかもしれないので。

ウツロイドにスカーフを持たせる理由はマンムー等の中速ポケモンに持たせる「本来抜けない相手を抜けるようにする」とは少し違う。(当てはまる相手もいなくはないが。)

このポケモンのスカーフは「本来抜ける相手に積み技等で抜き返されない」という意味をもつ。これに当てはまるポケモンは主にリザードンウルガモス

わかりやすいのでウルガモスを例にする。

ウルガモスウツロイドはタイプ相性的にも素早さ的にもウツロイドが圧倒的に有利である。

しかし、ウルガモスが蝶の舞を使うと少し状況がややこしくなる。

まず、素早さが逆転する。これで、ウルガモスウツロイドを上から殴れるようになる。

そして、特攻があがる。これが問題。

もしもウルガモスがめざめるパワー地面を所持していた場合、ウツロイドは倒されてしまう。

つまり、蝶の舞を使った瞬間にウツロイドウルガモスの有利不利関係が逆転する。襷を持たせてもステロで潰されることを考えるとあまり解決になっていない。

ならばチョッキを持たせてみよう!ウツロイドの特防をあげてウルガモスのめざめるパワー地面を耐えてみる!

これにも問題がある。確かに、耐えること自体は可能。しかし、素早さ関係はウルガモスが上のまま。そして、蝶の舞は特防もあがってしまう。

なので、相手のウルガモスの2舞目を許してしまう。(Dの二段階あがったウルガモスはジェムを確定で耐える。居座ってる時点でスカーフウツロイドの線は切っているので、この立ち回りは十分あり得る。)こうなるとチョッキでも厳しい。

なので、相手のウルガモスを後出しから遂行しきるなら為にはスカーフを持たせることが半ば必須条件となる。

また、同じことがパルシェンリザードンを相手にした場合にも言える。

なので、マンムー等の中速ポケモンのスカーフが本来不利な相手との有利不利を逆転する「攻めのスカーフ」とするなら、ウツロイドのスカーフは本来有利な相手に縛り返されないようにする、いわば「守りのスカーフ」と言えよう。

 

ウツロイドウルガモスを倒せない

さあ、ウツロイドにスカーフを持たせる理由はわかった。早速ウルガモスをぶちのめしてみよう!と、言いたいところだがそう上手くはいかないのが現実。

現在ではスカーフウツロイドは広く認知されており、たとえ蝶の舞を一回使ったウルガモスでも警戒して引いてくることは少なくない。そして、相手の裏にギルガルドを筆頭とする鋼タイプがいるとかなり厳しくなる。

これは受けループを例にあげるとわかりやすいだろう。
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例えばこんな対面。メガバシャーモはラッキーを飛び膝蹴りで縛れているため、バシャーモ側が圧倒的に有利。

しかし、
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こうなると話が変わってくる。

メガバシャーモはラッキーには有利だが、メガヤドランを突破することは(基本的に)不可能である。

つまり、バシャーモはヤドランを倒すまでラッキーに触れることができない。

この状況ではバシャーモはラッキーに勝てるが、ラッキーを倒せないポケモンといえる。

 

そして、同じことがウツロイドにもいえる。
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こうなった場合。

ギルガルドは上の例のヤドランのような高速回復技こそないものの、耐性や技範囲的にウツロイドにはかなりの回数投げることが出来るポケモン。つまり、この時点でウツロイドウルガモスに勝てるが、ウルガモスを倒せないポケモンとなってしまっている。

一方ギルガルドは一貫性の高い霊技で攻めてくる。

裏に当然ギルガルドを受けられるポケモンがいるはずだが(というか、それがいないと構築単位の欠陥)何度も受け出せるかというと難しい。

そして、この状況を打破するためにウツロイド側のプレイヤーがとれる選択肢は

1.ギルガルドを完全に何度も受けきれるポケモンを採用する。

2.ギルガルドに後出し出来て、なおかつ裏のウルガモス+1をぶちのめせるほどのサイクル破壊性能のあるポケモンを採用する。

基本的にこのどちらかになる。が、そんなポケモンはそう多くはないし、仮にいたとしても毎回その選出が出来るとも限らない。少々条件として厳しい。

 

・なら、ガモスに触れたらよくね?

この状況を別の方法で崩せる、いわば第3の選択肢となり得るのがステルスロックという技だと思っている。

これは追い討ちという技と似ている。
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ベトベトンは耐性的にカプ・テテフに何度か後出しが効く。

しかし、ベトベトンでメガフシギバナを突破するのはかなり難しい。

光合成のPPが枯れない限りベトベトンに対して無限に後出しが効くフシギバナと、回復技のないベトベトンではどちらが有利かは言うまでもない。

なので、「ベトベトンはカプ・テテフに勝てるが、カプ・テテフを倒せないポケモン」になっている。・・・はずなのだが、実は違う。

ベトベトンは追い討ちという技を覚える。これによってカプ・テテフに負担をかけることが可能。本来の役割対象に直接触れることで強引にサイクルを破壊することができる。

こうなると、このサイクルにも勝機がみえてくる。

 

突破できない対象がいるなら、役割対象に負担をかける方法を模索してみればいい。

そして、それを叶えるのがウツロイドステルスロック

さっきの状況の場合、ウツロイドウルガモスの対面で相手が交代する時にステロを撒いてやる。

すると、ウルガモスの体力を場に出る度に半分削ることができ、非常に立ち回りを制限できる。

仮にギルガルドに一度だけ後出しからの遂行が可能なポケモンがいた場合、ギルガルドに投げて攻撃してやれば相手は交代でウルガモスを出しても次のステロ圏内に入ってしまい、もう交代できなくなる。

こんな感じで、絶望的にみえた上記のサイクルで勝ち筋を作れる。

 

・まとめ

スカーフウツロイドステルスロックは確かにリスクを伴うし、綺麗な選択とは言えないだろう。

しかし、これがないとあまりにも出せる構築が少なくなりすぎる。

極端な話、「ギルガルドがいるからウツロイドは出せない」という話になりかねない。

他でステルスロックを撒けるポケモンを採用している、あるいはウツロイドに後出しされるポケモン全てに対して後出しor(釣りだし前提の)対面から裏のポケモンごと確実に崩せるポケモンを毎回ウツロイドとセットで選出出来るとかなら別だが、そうでもなければ非常に有用な技であり、個人的にはパワージェムに次ぐほど優先度が高いと思っている。

ウツロイドの他のウエポンを採用したところで結局鋼には手も足も出ないし、サブウエポンで拘って起点にされては本末転倒。どれを入れても微妙な感じなのでステロの入るスペースは十分なはず。

「スカーフ補助技はなんか嫌」等といった適当な理由で誤魔化さず、一度触れてみては如何だろうか?

 

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スカーフステロに対する考え - エンジョイ勢がなんか言うだけ

拘り変化技の功罪 - サラマンスター(ポケモン)

(両者共に無断リンクのため問題があればご連絡下さい。)

 

 

リンク先の方が要点まとまってて読みやすい。